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最近読んだ本

・身体にきく―「体癖」を活かす整体法/片山洋次郎
・流れる星は生きている/藤原てい
・母への詫び状/藤原咲子
・ただ自然に―比叡山千日回峯行 酒井雄哉画賛集/酒井雄哉

  *  *  *



・身体にきく―「体癖」を活かす整体法/片山洋次郎

片山洋次郎さんの本は、実家から借りてあらかた読んでいるし、自分でも何冊か持っている。「骨盤にきく―気持ちよく眠り、集中力を高める整体入門」のほうは我が家にあるのでこの本も読んだかと思っていたら読んでいなかった。ので、先日読んだ。
こちらは「体癖」がテーマの本です。

ところで、体癖も、「〇種だからこういうタイプなはず」とアタマで決めつけてかかると人物を見誤る、というところは、他の診断方法やなんとか占いと一緒だと思う。
つか、キャラ診断などの結果を読んで「当たっている!」と思うことが多いのは、そこに書かれている文章を自分に引き寄せた形で解釈しているからだよね。

そういう私自身も、長い間自分のことを5種体癖と思っていたので、「ふたつ以上のことを同時進行しながら進めるのが得意な、ながら族」という5種の説明を読んであっさり「そうそう~」なんて思っていたけど、実は私は5種ではなく(がーん。。。)、私のホントの体癖のところにはむしろ逆のことが書かれていたのだった。

その後、母に、「私、ながら族じゃないと思う?」と聞いてみたら、「あなたのは、ふたつ以上の作業の同時進行ではない。ひとつひとつ捨てて次へ乗り換えている」ということを言われた。そう言われてみれば、ひとつひとつ、ちゃんと終わらせずに気が向くままパッと次のことへ移り、それが終わったら(あるいは終わらせないまま捨てて)、また最初のことに戻って作業開始したりしているような気もする。なるほど~。・・・と思った。(これもひとつの解釈だけども)

要するに、「診断結果」は、読む人の解釈次第で内容が変わるもの。
体癖という分類が有効かどうかも、使う人次第、てことですね。

で、この本は、12種類ある体癖種類の特徴はさらりと述べるのみで終わっている。
それよりも、「・・・の場合、・・・ということが起こりやすくなります。たとえば以前、〇種と△種の母娘がいて・・・」という風に、具体例をあげながら、こういうタイプが親子になるとこういう葛藤が生まれやすい、だからこういう距離の取り方をしたほうがよい、というアドバイスに多くの頁数が割かれています。そこが良かった。わかりやすくて。

ついでに。
ひと月ほど前に整体院へ行き、自分と夫の体癖を教えてもらってから、考え直してみたことがありました。

子供が生まれてからは、生活の質と時間の流れが急変し、喧嘩も議論もする時間がない、でもしないわけにはいかない(以前よりトラブルの芽はたくさんある)、だから一度言い合いが始まると大ゴトになる、という日々でありました。それも、以前はきっちり解決するまで言い合うことができたけど、最近はそこまでやる時間がないためうやむやに終わることが殆どという後味の悪さ。

私たちの「話がすれ違う」「気持ちが通じない」パターンは、大体決まっています。
先日、そのパターンを、喧嘩の最中に、よーーーーく分析してみました。
それぞれの体癖(理論派vs直感派)を当てはめながら、よーくよーく考えてみました。
そしたら、その構造がわかった気がしました。
MSにそれを説明してみたら、「確かにそうだ」と同意。
次からはもう少し建設的な喧嘩ができるかも!?
ちなみに、理論派で言葉にこだわるのは私です。
MSのこと、直感タイプという見方をしたことはなかったけど、
そういう目で今までの彼の行動をひとつひとつ思い返してみると、
「ああそうか」と、腑に落ちることが多く、そうとわかれば、
意外なほどすんなりと受け入れることができるのでした。


・流れる星は生きている/藤原てい

miyukiちゃんから借りたまましばらく手をつけられなかった本。
8月が近づき、戦争をテーマにした番組や新聞記事をよく見かけるようになってから読み始めた。
前半は読みにくかったなあ。著者の描写が淡々としていて明るさがなくて。
しかし中盤からは、逃避行の状況は悪くなる一方だけど、文章からは体の奥底に息づく力のようなものが感じられるようになって、ぐっと読みやすくなった。私はね。
読みながら感じたのは、余裕のある人間は「敵」にも優しい、追いつめられた人間は「仲間」にもしっかり冷酷、ということ。そして、究極の状態でも(だからこそ?)人間性が出るということ。

終盤、いよいよ引き揚げの行軍に加わった母は、3人の子を連れていくつもの山と川を命懸けで越えながら38度線を目指し、子供たち(5歳と2歳)が苦しさに泣いても、怒鳴りつけ、殴り、引きずって先へ進ませる、子供たちはすでに栄養失調の状態で、終戦時に生まれたばかりだった末の子は乳ももらえず泣く力もなく下痢が止まらないままリュックに入れられ運ばれている。別の場面では、継母と共にいた6歳の子供が虐待された末に栄養失調で死んでいく・・・。

これらは、この本に描かれる過酷な逃亡生活の一部分。
読みながら私は、自分の子(と自分)がどれほど幸せな状況で暮らしているかを、いちいち顧みずにはいられなかったです。(一方で、今の時代の日本にも虐待する親と虐待される子供がいることも思ったけども)


・母への詫び状/藤原咲子

上の本で、生後1か月からの一年余りを逃亡生活の中に置かれた赤ちゃんが、藤原咲子さんです。
まだ読み始めたばかりだけど、引き揚げの後遺症、母との確執、12歳のときにこっそりと母の本「流れる星は生きている」を読み、「(リュックの中の)咲子はまだ生きている」という一文や、一人の子を犠牲にして二人の子を生かす選択が書かれていることについて、誤解し、打ちのめされる。そして40年以上経って両親が書いた自分宛の手紙を見つける、そこに書かれていたのは、母からの「よく大きくなってくれました」という暖かい言葉。・・・と、こんなことが書いてあるようです。
このサイトが好意的な書評。
Amazonのレビューは意地悪。「流れる星は生きている」を読んだだけでも、このレビューはちょっと違うんでない?と私には思える。


・ただ自然に―比叡山千日回峯行 酒井雄哉画賛集/酒井雄哉

ややこしいタイトル。
文章を書いているのは酒井さんではないので、その人が裏にまわるためにこのような出版形態にしたのかしら?

酒井雄哉さんは、天台宗の僧侶で、大阿闍梨(だいあじゃり)とのこと。(阿闍梨はサンスクリット語で「師範」のことだとか。中でも徳の高い人を大阿闍梨とするらしい)
比叡山千日回峯行を2回満行した人だそうです。
回峯行中は、午前0時(夜中ね)に起床、二つの滝に打たれ不動真言を唱えた後、1時半に出発、約8時間で40kmを踏破する。途中260箇所の礼拝所で礼拝。9時半(朝ね)に寺に帰着し、師匠の食事の支度や雑用やお寺の勤めなど日課をこなして夜8時過ぎに就寝。睡眠時間は3~4時間。食事は2回。
これを、7年かけて、1000日行うそうです。700日目には、足掛け9日間の断食断水断眠の行に入り、これに入る前には親しい人に別れを告げて生き葬儀を行うそうです(一般の人ならまず生きて帰れないのだそうで)。
信長の比叡山焼き討ち以降、千日回峯行を満行したのは3人のみで、そのうち存命なのは酒井さん一人だそう。

こういう世界があるということ、人ってこんな修行ができるんだということ、自分に厳しい行を課すことの意味、そういう宗教のあり方について等々、(新興宗教とか芸能人の薬物使用とか、そんなところと比較して見えるものがあって)面白かったです。

しかし、40km踏破を1000日繰り返すって・・・。
歩くといっても、その姿はほとんど猿(ましら)の飛ぶが如くだとか。
たった一日のフルマラソンでも、いや、ハーフマラソンでも、いやいや、10キロマラソンでも耐えられなさそうな自分が悲しく見えてくるような?
5キロくらいならいけるかなー・・・
Commented by まやぞう at 2009-08-15 13:30 x
流れる星は生きている、小学生の頃だったか読みましたよ〜
ベストセラーになって家にもあったので。
娘さんとの確執は確か週刊誌にも何度か出てたと思います。

引揚された方々の体験記は今でも年1冊ずつ本になって出ていて
図書館で借りて読んでますが
子供を持った今は涙無しにはとても読めない話が沢山です。
Commented by medeco at 2009-08-17 08:52
まやぞうさん>
小学生で読むとどのように感じるのでしょうね。
藤原咲子さんも12歳であの本を読み、多感な時期だけに悪いほうだけに受け止めてしまったようです。
でも確かに、自分が小学生の頃を思い返すと、案外すごくオトナな部分はあったと思いますけど、咲子さんと同じような読み方をしたかもしれないと思いますね(書かれているのが自分のことであればなおさら)。

>引揚された方々の体験記は今でも年1冊ずつ本になって出ていて

これは何かシリーズになっているのですか??
よかったら教えてくださーい。
Commented by まやぞう at 2009-08-17 13:56 x
小学生の時もしばらく夢に見た位だったのですが、
当時は親が亡くなってしまう「ガラスのうさぎ」の方が悲しかったです。
幼すぎて、自分に置き換えて考える事はできなかったですが
私も当事者だったら同じ様に思ったと思います。

小中学生の頃に勝手に読んだ親の本ってかなり影響ありますよね。。
今、同じ本を読んでもあまりのめり込めなかったりして。
「チボー家の人々」とか夢中になって読んでたのが信じられない。。

体験記は、
独立行政法人平和祈念事業特別基金から出ている
「平和の礎ー海外引揚者が語り継ぐ労苦」です。
検索したところ、市販されていないようなのですが
どこの図書館にも置いてあると思います。

挿絵も無い、体験談がまとめられた簡素な青い冊子ですが
「赤い月」や「大地の子」も比べ物にならない位衝撃でした。
今は18册目まで出ていますが、情勢を反映しているらしいのと
書き手の方々の記憶が薄れている感じがするので
古い物から読まれた方が良いと思います。
Commented by medeco at 2009-08-18 04:31
まやぞうさん>
小学生の頃は戦争テーマの本は教科書とはだしのゲンくらいしか読まなかったかなあ。
はだしのゲンも、図書館にあったから、パラパラと読んだ程度です。
そういえば祖父が何か戦争を扱った本の絵を描いていたっけ、と今思い調べてみたら、いしぶみという本でした。これも家にあったけど、私は読みませんでした。

あとはどんな本を読んでいたかしら・・・
親が児童文学が好きで、海外物の児童文学の本が充実していたので、まっとうに(?)それらを読んでいたかも。
アガサ・クリスティやポーは中学生だったかしらん。
その前に江戸川乱歩がありました。
あ、ギリシャ神話にはまっていたのは覚えています。
小説や物語が中心ですね。

「平和の礎」を検索してみたら、図書館にありました。
わが家はすぐ裏に図書館があるのがよいところ。
早速、今読んでいる本を読み終わったら、古いものから借りてみます。
ありがとうございます。

衝撃度といえば、「ワイルド・スワン」は読まれました?
あれにも相当のショックを受けました。。
Commented by まやぞう at 2009-08-19 21:38 x
私が子供の頃は戦争に関する本を読む機会が多かったのですが
学校によるのかな。
かわいそうなぞう〜ゲンまで。ゲンは漫画が家にありました。
絵本といえば「ちいちゃんのかげおくり」はご存知ですか?
今でも本屋で表紙見るだけで涙が出て来ます。

うちもめでこさんの所と同じく世界児童文学全集や
アガサ、ポー、乱歩、ギリシャ神話もありました!
あとはルパンやホームズ、ファーブルにシートン。
海外に居たので、祖母が色々送ってくれたようです。
自分があれだけの物を子供に揃えてあげられる自信
(スペースも)が無いです。。。

ワイルド・スワン、長くて躊躇していたのですが
最近は時間もできてきた(と言いつつ最近子供の昼寝が短くなりつつあるのですが)ので借りてみますね。

長くなってしまいました。。
私もやっと読書の時間がとれるようになったので
めでこさんの日記の「最近読んだ本」楽しみにしてます♪
Commented by medeco at 2009-08-21 00:18
まやぞうさん>
ああ、学校でも取り上げられることがありました。
でも私、学校にあまり興味がなかったので、授業で知る部分以外は、自分の中に入ってこなかったかなあ。
「ちいちゃんのかげおくり」、知らないです~。
読むのがつらそうですね・・・

まやぞうさんは海外にいらしたのですね!素敵♪
それで、これだけの日本語の本が読めたなんて、素晴らしい環境ですね。
私は、クリスティも乱歩も、図書館にいりびたって読んでいましたから。

ワイルド・スワンを読むとつい、彼の国の人たちがあの時代にしたことの激しさに、つい偏見めいたことを呟きたくなるのですが、その同じ私が、「流れる星~」を読むと、「ああ、日本人って・・・」と思うわけです。
戦争や争乱が、そういうもの(人が人でなくなる)、ということなのでしょうか。

「最近読んだ本」、お恥ずかしいですが、ちょくちょくアップしますね~
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by medeco | 2009-08-13 07:48 | 今日のゴハン | Comments(6)

東京在住。毎日リモートワーク。歌舞伎・文楽、ラグビー観戦、旅、からだ周り、料理・ゴハン好き。息子は16歳。


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